(映画)アイアム・まきもと

阿部サダヲ主演のちょっとコメディっぽい映画。

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最近、あらすじ・ネタバレのサイトが色々と良いものがあるので、自分であらすじを書くことは止めようかな、と思っている。

まず僕が阿部サダヲさんと同級生なので、そこもちょっと見てみたいな、と思った理由。それから彼は宮藤官九郎とバンド「グループ魂」でもボーカルをしていて、ちょっと変わった人だな、という興味があったから。

調べてみると、原作がちゃんとあって、その映画化らしい。てっきりオリジナル脚本で挑んだ作品かと思った。

映画は初めから「これは何を伝えたい映画なんだろう?」とよくわからないまま進んでいった。本当に「おみおくり係」なんていう部署がある自治体があるんだろうか?なぜ牧本は遺骨をいつまでも自分の事務所に保存しているんだろうか、自分だったらどうしていただろうか、わからないことが一杯だった。そして最後に牧本自身が交通事故で亡くなってしまう、という衝撃的なエンディング。主人公を殺してしまう必要があったんだろうか?と最後まで疑問が残って映画が終了した。

そこから何度も頭の中で映画を振り返り、自分なりに考えてみた。

まず今の世の中、一人暮らしの老人が多い、ということ。それにより孤独死という事象が発生してしまうこと。心筋梗塞やその他の病状で急に亡くなることが多々あるのは仕方がない。

そして一人暮らしの老人の中には、親族と疎遠になってしまってる人が多い、ということ。子供が自立して、自分たちの家庭を築き、親と同居できない状況があるのは仕方がない。でも、親子関係さえ良ければ、いくら孤独死になったとしても、死後24時間以内に発見されることはあるだろう。逆の状況があるから、死後2~3日して発見される状況が生じる。

親族と疎遠になっていると、遺体の引き取りを拒否される、ということ。地方自治体の規模にも寄ると思うが、ひと月に一人、孤独死して遺族が遺体の引き取りを拒否しているとすると、それだけで1年間に12体の遺体が放置されることになる。葬式もあげてもらえない遺体。。。

主人公の牧本は独身の48歳。まず最初に、彼はかなり高い確率でADHDだろうと思う。周りの空気を読めず、あることに没頭してしまうとそれに固執してしまう。そういう人はどこにでもいる。それを許容してくれる社会が周りにあるか、と問われれば、ゼロではないけどあまり多くはないだろう。

そして親兄弟のいない独身の牧本が亡くなった場合、本人自身が遺体の引き取り手がいない、無縁仏になってしまう、ということ。今回は交通事故だったから警察が対処してくれたけど、孤独死だった場合は、どうにもできない。

今回は自治体に「おみおくり係」という部署があったが、実はこれ、どの自治体にも必要不可欠の部署で、予算にもちゃんと組み込まないといけない状況なのかもしれない。お葬式は無理だとしても、遺体の火葬代や故人が残した相続されない資産(不動産)の処理費用。不動産が相続されない場合、自治体がその不動産を所有できるようにする法律などの整備。

これからやってくる超高齢化社会。それに伴う問題点をシリアスにではなく、コメディタッチで提起し、可能な限り世間に広く認知させたい、という願いを込めた映画だったんだ、と理解した。

あと最後に、僕が注目している松下恍平さんが刑事役で出ていたのもちょっと嬉しかった。ドラマ「最愛」でも刑事役だったが、それとはまた違った、真面目だけど牧本を憎めない役にぴったりだった。次回作にも期待したい。

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